調和のとれた街にこそ、人は引き付けられる

ケルンはドイツ北西部。ライン川中流域に位置する、陸上・水上交通の要所。そのため重工業が発展しているほか、国際的な見本市や展示会が行われる産業都市の側面をもっています。そして、なんといっても世界遺産にも登録されているケルン大聖堂でも有名です。しかし、商工業の発達と歴史的な遺産との調和のとれたまちづくりに非常に苦労しているようです。ここから何が読み取れるでしょう。


世界遺産か都市発展かで揺れたまちづくり

ケルンへはフランクフルト中央駅(Frankfurt Hauptbahnhof)からケルン中央駅(Köln Hauptbahnhof)まで、ICEで約1時間程で到着します。
街のシンボルで、世界遺産にも登録されているケルン大聖堂。この大聖堂中心にしたまちづくりを選択するのか、経済的な市の発展を優先するのかで、この都市は揺れていました。
ケルン大聖堂は 1996 年に世界遺産に登録をされました。その段階で、周辺の規制地域であるバッファーゾーンの設定を要請されていたのですが、ケルン市当局はそれを怠ったまま、ライン川を挟んだケルン大聖堂の対岸の再開発コンペを実施し、2001 年に高層建築物(高さ 100~130m)を含むプロジェクトが選ばれたのです。
このプロジェクトは大聖堂周辺の景観に影響を与えるとして、反対運動があったものの、市は 2003年に 2 棟の高層ビル計画を許可、また、同地区近辺にも高層ビルが完成するという状況となりました。2004年にはこれら一連の開発はケルン大聖堂の景観的価値を損なうとして、世界遺産委員会がケルン大聖堂を危機遺産リストに登録することになったのです。
こうした開発が進められたのは、地域経済の低迷による失業率が高騰していたのが原因で
、高層ビルによる再開発によって経済活性化の起爆剤になることが期待されていました。
しかし、再開発による経済活性化よりも、世界遺産登録抹消と観光客減少によるマイナス影響の方が大きいと市が判断することとなり、2005 年に 2 棟の高層ビル計画を一時停止するとともに、高層建築物の建設可能地域の見直しを行うことを決めました。そして、2006 年に市はバッファーゾーンの見直しを行い、同年 7 月に危機遺産リストから外れたのです。
調和をとれたまちづくりとは

実際現地を訪れてみると、驚きを感じるくらいの近くの距離に近代的な駅がケルン大
聖堂の真正面にあります。そして、聖堂の周辺の通りにはショッピングセンターや飲食店が連なる繁華街が広がり、夜はネオンに包まれています。駅を挟んだ反対側には華やかな照明に彩られたシアターも存在し、必ずしも大聖堂と調和している街並みづくり、という印象は薄かったといえました。
先にみたフランクフルト市ではそれらをうまく調和させて、都市としての機能ももち、景観も保たれている例もあります。もちろん経済の発展も大事、歴史的建造物を守るのも大事。それぞれが果たす役割は全く違うものとして、機能別にしたまちづくりを考えることが、それぞれの良い面を最大限に引き出すことにつながるでしょう。

地域経済の活性化という観点で商業施設等の誘致による再開発を進めるのは手っ取り早い方法ですが、根本的な解決に結びつかないケースも多いようです。それよりも、長期的に「この街は何で生きる」というコンセプトを軸に、機能別に地域を分ける、お互いの地域を結び付けるインフラ整備を行うことで、街に調和と循環を導くことです。すべてが調和した、循環する街に、人は心地よさを感じ、心引き付けられるのではないでしょうか。
躍動感ある街をつくるには(フランクフルト市)

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